血漿プロテオームから捉える健康状態と生活習慣

Chan KH et al. Sci Rep. 2026 May 9;16(1):21236. doi: 10.1038/s41598-026-41444-z.

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研究の背景と目的

血液中のタンパク質には、年齢や生活習慣、健康状態を反映するものがあります。一方、こうした関係を東アジアの集団で幅広く調べた研究は限られています。本研究では、中国の成人を対象に、多数の血漿タンパク質が年齢、生活習慣、健康状態などとどう関係するかを調べました。

研究方法

中国の大規模研究に参加した成人1,998人の血漿を、SomaScan™ Assay(v4.1)で測定しました。解析対象は6,597種類のヒトタンパク質です。年齢、喫煙、飲酒、体格、糖尿病の有無など37項目とタンパク質量の関係を調べ、男女別の違いや、測定データの正規化による結果の違いも確認しました。

結果

37項目のうち29項目が、少なくとも一つのタンパク質と統計学的に関連しました。関連するタンパク質が特に多かったのは、肥満度を示すBMI(1,035種類)、性別(996種類)、年齢(982種類)、屋外気温(802種類)です。調べたタンパク質の43%は、いずれかの項目と関連しました。

健康状態に関わる項目では、糖尿病の有無が257種類、虚弱の程度を表す指標が465種類のタンパク質と関連しました。例えば、虚弱の指標が高い人では、炎症に関わるCRPが高い傾向にありました。また、健康的な生活習慣をまとめた指標は307種類のタンパク質と関連しました。

関連の現れ方には男女差もみられました。喫煙と飲酒に関連するタンパク質は男性で多く見つかりました。さらに、正規化していない測定データを用いると、年齢やBMI、糖尿病、虚弱などに関連するタンパク質が、正規化したデータより多く検出されました。

考察

血漿タンパク質には、年齢や性別だけでなく、体格や生活習慣、虚弱の程度など、複数の要因が関係していました。特定の病気や生活習慣に関わるタンパク質を探す際には、これらの要因やデータの正規化方法を考慮する必要があります。ただし、この研究は一時点での関連を調べたもので、原因と結果の関係は示していません。見つかった関連は、別の集団でも確かめる必要があります。

Information

本研究では、SomaScan Assayは血漿中の約6,600種類のタンパク質を一度に調べ、生活習慣や健康状態に関わる候補を幅広く探すために使われました。例えば、糖尿病や虚弱を研究する際、PLXB2やCRPなどの候補に加え、年齢・BMI・性別との重なりを確認する用途が考えられます。東アジアの集団で候補分子を探索し、次の検証研究を設計する際の参考となる研究です。

COI:フォーネスライフ社はSomaScan Assayを提供・販売する立場にあるため、本記事の掲載は利益相反に該当します。

SomaScan Assayのことを短時間に理解できる資料を用意しました。