新しい自己抗体で関節リウマチをより正確に診断:抗CCP陰性例にも対応

Tsima Abou Kors et al. Multi-omics analysis of overexpressed tumor-associated proteins: gene expression, immunopeptide presentation, and antibody response in oropharyngeal squamous cell carcinoma, with a focus on cancer-testis antigens. Front Immunol. 2024:15:1408173. doi: 10.3389/fimmu.2024.1408173. eCollection 2024.

関節リウマチ(RA)の診断および疾患管理では自己抗体が重要であるが、既存のマーカー(リウマトイド因子RF、抗CCP抗体)では不十分なケースが存在します。本研究では、Sengenics社のi-Ome™︎ Protein Array(KREX技術) を用いてRAに関連する新規自己抗体を網羅的に探索しました。

解析には、RA患者200例と健常対照100例を含む大規模コホートが用いられました。i-Ome™︎アレイは、正しく折り畳まれた1,600種類以上のフルレングスタンパク質を提示し、構造依存的エピトープを認識する自己抗体を高感度に検出可能とします。得られたデータは、ELISAおよび独立検証コホートで再検証されました。

新規自己抗体として、anti-HNRNPA2B1, anti-VIM, anti-LGALS1, anti-TROVE2 などがRA患者で有意に高値を示しました。これらの自己抗体は、疾患活動性スコア(DAS28)、CRP値、関節破壊の進行度と有意な相関を示しました。ROC解析では、anti-HNRNPA2B1が特に優れた性能を示し、AUC=0.89、特異度91%、感度72%でRA患者を識別可能でした。さらに、抗CCP陰性RA患者においても、これら新規自己抗体の一部が高い診断補助能を示しました。

本研究は、KREX技術を基盤とするi-Omeアレイにより、RAに関連する新しい自己抗体群を同定しました。これらは従来のマーカーを補完し、特に抗CCP陰性例での診断精度向上や疾患モニタリングに寄与する可能性があります。