SomaScan®は複数の工程を経てサンプル中のタンパク質量を測定します。工程A~Gまでは人の手を介することなく、自動ロボット(TECAN)が行います。複雑な工程をロボットが担うことで高い再現性を実現しています。

※図はSomaLogic社より提供

A. 11,000種類のSOMAmer®をビーズに固定します

 11,000種類のSOMAmer®(紫色)を、"PhotoCleavable Linker"と呼ばれる「光で切れる」リンカーを使い、磁気ビーズに結合させます。想定されるタンパク質量に対し、十分量のSOMAmer®をビーズに固定します。

B. サンプルを磁気ビーズに接触させます

 溶液状態のサンプル(血清、血漿、タンパク質抽出液)と磁気ビーズを混合し、磁気ビーズ上のSOMAmer®と標的タンパク質(薄黄色)とを結合させます。血清、血漿中のタンパク質濃度は1010以上の濃度範囲があるため、3段階にサンプルを希釈し、それぞれについて以下(C以降)の工程を実施します。

C. 標的タンパク質のビオチンで標識します

 工程Fにて標的タンパク質を磁気ビーズに結合させるため、この段階でSOMAmer®と結合している標的タンパク質を「ビオチン」(薄紫色)で標識します。ビオチンはストレプトアビジンと強く結合する性質があり、ビーズへの固定に広く使われるます。

D. 光を照射してリンカーを切断します

 磁気ビーズとSOMAmer®を結合しているリンカーに光を当て、リンカーを切断します。その結果、標的タンパク質のSOMAmer®の複合体(Complex)が、磁気ビーズから遊離します。

E. 非特異的吸着タンパク質の除去

 負に帯電している界面活性剤を使い、標的タンパク質以外のタンパク質に結合しているSOMAmer®(非特異的吸着)を、タンパク質から分離させます。高い選択性を得るためにこの工程はとても重要です。

F. 標的タンパク質を磁気ビーズに結合させます

 工程Cで標的タンパク質に結合させたビオチンを使い、磁気ビーズ上のストレプトアビジンとタンパク質を結合させます。タンパク質と結合しているSOMAmer®も一緒に磁気ビーズに保持されます。

G. 標的タンパク質に結合しているSOMAmer®を乖離させます

 標的タンパク質に結合しているSOMAmer®を乖離させます。磁気ビーズに結合しているタンパク質は磁気ビーズとともに回収し、溶液状態のSOMAmer®を得ます。このSOMAmer®の量が実際のタンパク量に比例します。

H. マイクロアレイを使いSOMAmer®の量を計測します

 工程Gで得たSOMAmer®とマイクロアレイに固定した相補的DNAをハイブリダイゼーションさせます。SOMAmer®は蛍光色素で修飾されているため、ハイブリダイゼーションによりアレイに固定されたSOMAmer®はその量に比例して発光します。DNA配列と結合タンパク質が1:1で対応しているため、どのタンパク質がどの程度存在するか正しく計測することができます。

TECAN製自動分注機
上記A~Gの工程は、自動ロボット(TECAN)が行います。
複雑な工程をロボットが実施することで、高い精度を実現します。

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